TCHとは
Tooth Contacting Habitの略であり、日本語では「上下の歯を接触させる癖」という意味になります。
つまり、就寝時の「くいしばり癖」や「歯ぎしり癖」という「咬みしめ癖」が該当となります。
この咬みしめ癖は何かに集中している時や、緊張してる時などに多く見られる傾向があります。
現代人はスマートフォンやパソコンなどを日頃から使用しているため、操作に長時間没頭することとなります。
特に就寝前にスマートフォンなどを操作すると、それらの機器から発せられている青色LEDによって睡眠障害が起き、就寝時のくいしばりや歯ぎしりが起こるとも考えられています。
そのため無意識に咬みしめ癖が習慣化され、体に様々な影響を起こしてしまうことになるのです。
TCHによる影響
- 脱 離…咬みしめによって歯に圧力がかかり、治療した※冠や詰め物(充填物)が外れやすくなってしまいます。
※冠とは…右側の図のような被せ物のこと。銀だけではなく白いものもある。
- 顎関節症…耳の前にある顎関節を圧迫し、血流障害・関節痛などを引き起こしてしまう。これが顎関節症発症の一つの要因ともなります。
- 知覚過敏…歯を接触させることで、歯の歯根表面にある歯根膜という神経の圧迫、血流障害が起こり、知覚過敏症状を引き起こします。さらに酷くなると、歯周病などにも影響してきます。
上記の症状以外にも、咬みしめすることによって緊張感の維持が筋肉にも影響を及ぼし、血流障害が原因となり筋肉のコリとなって出現することもあります。
TCHの改善法
咬みしめを治すには自己認識が大切だと思います。そして何よりも「舌の正しい位置」も重要なポイントだと思います。
舌の筋力が衰え、舌の位置が不正確になっていくと上下の歯と歯にある適度な隙間(安静空隙)が失われてしまいます。
隙間が無くなると歯と歯の接触が起こる危険性が高くなってしまいます。
そこで舌を正しい位置にするために口を閉じている時は、舌の先を上の前歯の裏に付けるようにして鼻呼吸をしてみましょう。
これを日頃から気を付けてやっていくと舌が正しい位置に配置され、咬みしめ癖が改善されると考えられています。